Windows PCがスリープしない問題について、キーボードやマウスなどの入力機器によって発生原因が異なるので個別にまとめてみました。


Windowsが自動スリープしなくなる原因には様々なものがありますが、その中でも見落とされやすいのが「入力機器」です。

この記事では、

  • Windowsが入力をどのように監視しているのか
  • キーボードやマウスなどがスリープに影響する理由
  • ゲーミングデバイス特有の注意点

についてまとめます。


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スリープ阻害の判断方法


通常のスリープ阻害は電源監視(powercfg)のログに残るのですが、キーボードやマウスなどの入力機器についてはログが残りませんので入力機器の監視が正しく行われているかを物理的なケーブルの抜き差しやキーマウス入力確認監視などのソフトウェアでチェックする必要があります。


powercfg /requestsの実行結果(入力があっても変化しない):

DISPLAY:
なし。

SYSTEM:
なし。

AWAYMODE:
なし。

実行:
なし。

PERFBOOST:
なし。

ACTIVELOCKSCREEN:
なし。


入力機器で発生するスリープしない要因は唯一「無操作による入力が発生している」ことになります。それ以外はスリープしない状況以前に何かしらかのエラーや不具合が発生します。


簡単な判断方法としては「電源とスリープ」の設定を「1分」などの短い時間に設定してケーブルの抜き差しを行いディスプレイの電源がOFFされることやPC電源がスリープされることを確認します。

(追加)この確認を簡単に行うツールアプリを公開しています。


入力機器は本来それを正しく返すことをWindowsは機器仕様としていますが、キーボードやマウスは色々なメーカーが作っているので、仕様を守っていることは100%ではありません。


入力機器の接続について


通常のPC環境からのスリープ時間の変化として、入力機器が新たに接続される、使っていてこんな事をしたなどのケースは以下のようなものがあります。


  • キーボードやマウスを購入して接続した
  • タブレットを購入して接続した
  • ゲームパッドを購入して接続した
  • 購入後、初めて長時利用を行った
  • 昔購入したUSBゲームパッドを久しぶりに接続した
  • PS2ゲームパッド用のUSB変換ケーブルを久しぶりに接続した
  • マウスの調子が最近悪い
  • マウスパッドを交換したり、パッドが無いので直置きしている
  • レイアウト変更などで延長用にHUBを追加した


入力機器とスリープの関係


基本的にWindowsの自動スリープの機能は入力機器、主にUSB(過去にはPS/2)やBluetoothなどのキーボードとマウスの入力状態を監視して一定時間の「無操作」時間によって機能します。



設定>システム>電源とスリープに記載している「次の時間経過後」とは「無操作」を示しています。


ヘルプなどで「デバイスを使用していないとき」と記載してあるのは、PCの外部機器については主に「入力機器デバイス」を示しています。PCの内部機器やデバイス以外についてはpowercfgに記載されるものとなります。


「無操作」時間とは、入力が無くなってから内部のタイマーがカウントされた累積時間を示しています。2時間と設定すれば1時間59分で入力があればタイマーはリセットされます。


例外としてはディスプレイ機器本体が持つスリープ機能はこれと連動しないので、「無操作」でPCからの画面信号がOFFされた後、信号OFFによるディスプレイ機器本体のスリープ機能が働いて電源がOFFされた場合には、ディスプレイは再点灯せずにPCのみ電源が入っているといった状況になります。


ですので、何かしらかの「無操作」の状態をUSBなどから受け取る必要があるので、キーボードやマウスはその情報を返す必要があります。Bluetooth入力機器においても同様の仕組みとなります。



キーボード

キーボードが原因でスリープしなくなるケースは、購入直後の初期不良や、長期間使用による摩耗・汚れなどがきっかけとなることがあります。


純正キーボードやノートPC内蔵キーボードでは、スリープしないというよりも、キー入力そのものができなくなるなど故障として現れるケースが多くあります。一方、多機能なものやユニーク性を持ったサードパーティ製キーボードでは、設計やデザインやキーの構造、専用ソフトウェアや独自機能が影響する場合があります。


設計上・デザイン上の問題

メーカーにもよりますが、製品のテスト検証を明らかに怠っている、手触りにざらつきや引っかかりがあるなどの設計ミスや製品ムラがあるものの場合、キーが傾く、傾いたまま固着する、他のキーと接触するなどでスリープが阻害される、折りたたみ機構が引っかかる、フレキシブルケーブルが弱いなどの信号不良などによって、誤入力が発生することがあります。

キー構造上の問題


キーボードは指の接触するボタン部分と入力をオンオフさせるスイッチ部で構成されているのですが、各メーカーで採用している方式がデザインや操作感やコスト面などに応じて異なることで、稀に初期や長期利用にて問題が起きるケースがあります。低コストや需要の多さからパンタグラフ方式やメンブレン方式にて問題が多く報告されている印象があります。

メカニカル方式

ゲーミングキーボードにて採用しているメカニカル方式など有名なスイッチメーカーが作ったものは専門に製造していることもあり不具合は起きにくいです。

メカニカル方式キーボード


パンタグラフ方式・メンブレン方式

多くのメーカーパソコンや安価なキーボードやコンパクトキーボードやモバイル向けキーボードで採用しているパンタグラフ方式やメンブレン方式は基本シリコンゴム接点を押し込む構造になっています。
設計やデザインやコスト面などの影響によって問題が起きる可能性があります。また経年劣化によってキーが戻りにくくなったり、押しっぱなしと判定される不具合が発生する場合もあります。

静電容量無接点方式

ライターやプログラマー御用達のキーボードで採用している静電容量無接点方式については、完成度が高く高価であること、製造メーカーが少ないこともありメカニカル方式同様に不具合は起きにくいです。

静電容量無接点方式キーボード



付加機能の問題

キーボードによっては、付加機能または主機能として専用アプリケーションが付くことがあります。代表的なものではマクロキーボード付属のアプリにてキーの入力内容をカスタマイズできます。また製品によってはマウスキー対応のデバイスもあります。自由度が高いため設定によっては無操作での入力が発生することによるスリープしないことも懸念されます。


マクロキーボード(メカニカル方式)


キーボード接続(接続端子やケーブル)や無線接続(USBドングルやBluetoosh)などの通信系のトラブルは、スリープを妨げるというより、認識しない・接続が切れる・応答しないなどの故障や接続不良として現れることが一般的です。


長期間利用しているものや長期保管していたものなどについてはスリープしない挙動以外の動作確認を行うことで問題解決することがあります。特に長期間使用したキーボードや保管していたキーボードでは、次のような点を確認してみてください。

  • キー表面が水平であるか、押したまま固着はないか
  • ラバーパーツなどがベタついていないか
  • キーがすべて押せて応答があるか
  • バッテリーが膨らんでいないか(無線モデル)
  • 電池ボックスの端子が腐食していないか(無線モデル)


マウス


利用環境に問題があることも・・


マウスの場合、利用している環境に問題があるケースもあります。

マウスの移動にはセンサーが用いられていますが、そのセンサーに問題がある場合やセンサーの接地面(マウスパッドなど)が凸凹な場合などでも「マウスが動いた」と判断されてスリープ時間がリセットされてしまうことがあります。


有線式(ケーブル付き)の場合には、ケーブルが硬い、ケーブルに触れたなどの要因でマウスが動くこともあります。


サポートセンターとかに言われる「ケーブルはきちんと刺さっていますか?」のようなアナログ的でおまじないな要因ですが、確認してみることも良いかもしれません。


ゲーミングマウス


マクロキーボードについて説明したとおり、ゲーミングマウスでもボタンにキーボードやキーボードマクロを割り当てられる製品については、マウスドライバとキーボードドライバの通信が動いていることになります。


マクロが設定できるものについては、常駐アプリ(専用ユーティリティ)が常にマウスと通信をしているものもあります。この場合その通信がマウス入力扱いとなっているかによってスリープの挙動が変化します。

これについては、オンボードメモリ搭載(専用ユーティリティが起動していくてもキーボタンを利用可能)と非搭載(専用ユーティリティが起動している間のみキーボタンを利用可能)によっても挙動が異なりますので説明書やデバイスドライバなどを確認してみてください。


ゲーミングマウス


スクロールホイール


マウスの機能としては便利なスクロールホイールですが、メカニカルな部位ということもあり、故障やメンテナンス不足によって誤動作することがあります。ここでも動いたと判断されればスリープ時間はリセットされます。


スクロールホイールはマウスボタンと同じくメカニカルな部分で構成されているため、チャタリングなどの入力異常が発生しやすいです。またホイール周りは密閉性が低いためゴミやホコリの侵入により、入力誤動作する場合があります。


エンコーダ式ホイール

ホイールと直結した接点接触型のロータリースイッチであるため力の入れ具合や利用頻度によってはチャタリングなどで未入力や逆方向検出などの故障を頻繁に起こすことがある。接点はある程度密閉されているのでホコリの影響は低いと思われる。


光学式ホイール

ホイールの凹凸を光学センサーで読み取ることで移動量を入力するため、ホイールとセンサーは独立しているためスイッチの機能としては壊れにくい。光学センサーとホイールの間のホコリにより読み取り不良を起こすことがある。


静電容量方式のタッチパッドなど


今ではノートパソコンのタッチパットはほぼこれに置き換わっています。
USBなど単体の入力機器としては利用したことはないのですが、所有するものではペンタブレットに搭載されていました。

指で触れるだけでマウスの代わりになったりジェスチャーコマンドにて機能するなど色々と便利ではありますが、静電容量方式は人体と同様の通電負荷があれば指でなくても誤動作することがあります。
代表的なものでは、鉛筆の芯や、お菓子などのアルミの包装袋(アルミ箔)などです。
この場合にも誤動作でスリープタイマーがリセットされます。身近なものなのでそばに置かないようにしましょう。

ノートパソコン本体に装備されている場合には取り外しができませんので、スリープ阻害要因の可能性がある場合にはデバイスマネージャーを利用して「デバイスを無効にする」を実行する必要があります。

ゲームパッド


スリープ阻害要因はWindowsの問題?


USBゲームパッドについては、以前よりスリープに無関係な入力機器であったのですが、Windows10 OSの問題もあり、スリープを阻害する場合があるようです。

別のページで詳しく掲載しましたのでそちらを参照してください。



多く発生しているスリープしないケースでは、製品自体には全く問題はなく、Windows OS上に接続しているDirectInput対応のゲームパッドであること(HID 準拠ゲーム コントローラー)が関係しているようです。


ゲームパッド(DirectInput対応モデル)


まとめ


Windowsの自動スリープは、入力機器からの「無操作」を前提に動作しています。


そのため、

  • マウスの誤検出
  • キーボードの特殊な実装
  • 常駐ソフトとの通信
  • 一部のゲームパッドやドライバ


などによって、ユーザーが操作していなくても入力が発生したと判断される場合があります。

スリープしない原因を調べる際は、まず入力機器を疑い、USB機器を一つずつ取り外したり、デバイスを無効化したりして切り分けることが重要です。

powercfgでは確認できないケースもあるため、実際の接続状態を変更しながら確認する方法が最も確実です。